仕事に集中したい人がオフィスに行かない、たったひとつの理由。

「これから3時間、集中して仕事をするぞ!」
あなたはそう決めたとき、どこに行くでしょうか?

パソコンだけを持って近所のカフェや図書館に向かう人もいれば、ひたすら自宅の書斎にこもる人もいるでしょう。このとき、ひとつだけ共通して言えることがあります。それは「間違ってもオフィスを選ばない」ということ。

それはなぜか?
答えは簡単、オフィスは仕事をする場所に向いていないからです。

オフィスには邪魔モノが多すぎる

仕事に全力を傾けている真っ最中の人に、絶対してはいけないこと。

それは「作業を中断させる」ことです。

例えば、突然声をかけられ集中が途切れてしまったり、せっかく調子良く進んでいた作業が必要のない会議で遮られてしまったり……。1日8時間仕事をするとしても、よく考えると15分単位でしか集中した時間が取れていないことが続いていませんか?

夜遅く仕事から帰ってきたときに、改めてよく考えてみてください。

「今日オフィスで、いったい何時間、集中して仕事ができただろう……。」

そう、オフィスには自分の意志ではどうしようもできない「邪魔モノ」が多すぎるのです。

仕事に集中したい人がオフィスに行かない理由とは

ソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業者兼CEO・ジェイソン・フリード氏は、世界的に有名なカンファレンス・TEDで「なぜオフィスで仕事ができないのか」と題したプレゼンテーションを行いました。そこで彼はこのようなことを言っています。

上司や同僚とのコミュニケーション、突然招集される出る必要のない会議。クリエイティブな仕事にはまとまった時間が必要なのに、邪魔するものが多すぎる。

仕事を途中で邪魔されるのは、何度も睡眠から起こされるのと同じ苦痛を感じるもの。夜中に何度も目が覚めた日の朝、体調が万全なんてことはありえない。そんな状態でいいクリエイティブが生まれるだろうか?

しかも厄介なのは、それらが自分ではどうすることもできないということ。FacebookやTwitterで息抜きする中断は自分で制御できるが、意図しない状況での邪魔は害悪でしかない。

そう述べた上でフリード氏は、最終的な結論として、諸悪の根源は「M&M’s」にあると説きます。

一瞬あの有名なチョコレート菓子が脳裏に浮かんだ人もいるかと思いますが、ここでは「管理職(Manager)」と「会議(Meeting)」を意味しています。

つまり、オフィスで仕事ができないのは上司と会議のせいということです。

冷静に考えてみると、私たちが仕事に集中したいときに向かうカフェや図書館といった場所に「M&M’s」は存在しません。

意識的にか無意識的なのかはともかく、仕事をするためにオフィスに行かないことの合理性がここに証明されました。「休みの日に家で仕事をすると、いつもより捗る気がする」のは、こういったワケだったのです。

オフィスを「仕事ができる」環境にするためにするべき2つのこと

もしあなたが、部下の生産性を高めるカギとなる当のマネージャー職であるならば、今すぐやるべきことは、たったの2つ。

コミュニケーション方法を変える

フリード氏が勧めているのは、本当の緊急時以外はコミュニケーションをチャットで行なうというもの。これまでのような肩を叩いて呼んだり、急に声をかけたりすることをやめ、すべてチャットで代用してしまいます。

なぜなら、チャットであれば反応するタイミングを自分で選べるので、仕事に集中しているときは返答を保留し、一段落ついたところでゆっくり対応するなど、自分でコントロールできるのがポイントです。

いきなりそこまでコミュニケーションを変えられないのであれば、段階的に取り入れてみるのはいかがでしょうか。例えば、「ノー・トーク・サーズデー」というユニークな取り組みがあります。毎月か毎週かはともかく、木曜日の午後は一切しゃべらないようにするのです。コミュニケーションを変えることにどれほどの効果があるか、実験するのにぴったりでしょう。

仕事に長い連続時間を使えるようになった部下たちが、新しいパソコンを与えられたときよりも喜んでいたなら、それがチャット導入を真剣に検討するベストなタイミングです。

思い切って会議をなくす

単に会議を延期するのではなく、予定から完全に消し去ってしまうのがポイントです。これまで定期的に行なっていた会議が急になくなると得も知れぬ不安を抱くかもしれませんが、その大半はなくても困らないということが、すぐにわかるのではないでしょうか。

参加する必要が分からないなら参加しない、そもそも開催する必要がないなら開催しない。まずは「やらない」ことを前提にして、それでどうしても困ることがあるのなら、最低限必要なメンバーだけで開催するなど、スモールスタートで実験することをオススメします。

まとめ

仕事を効率よく終わらせるために与えるべき最も大切なものは「良質な時間」です。本当に優れたアウトプットが生み出せる時間を、会社はきちんと与えているのか。このふたつを実践し、確かめてみてください。

渕上聖也

1982年生まれ、京都出身。
大学卒業後、出版社での営業職やカフェ店長などを経験、2010年ごろから執筆活動をスタート。

2013年にはライターとして独立し、IT企業を中心にさまざまなメディアと関わり合いながら、研鑽を積んできました。201610月より㈱リブセンスにジョインし、現職。